傷つきたくない

友人や恋人をできる限り批判したくない。実際ほとんどしないし、してもフォローを入れる。「あいつ協調性なさすぎるだろ……。まあ、別にいいんだけど……。」

 

これは僕の優しさからくる指向ではない。「あなたの不完全さを許すから、自分の不完全さも許してほしい」という態度の表れである。傷つきたくないから傷つけないだけである。人間は不完全だ……人間の不完全性について、人間は僕のように不完全さを許容するような態度をとるべきか?それとも、少しでもより良くあるために不完全さに批判的であるべきか?

 

不完全さを許容する態度にはふたつの問題がある。ひとつは、許容に甘えてお互いの良くない部分がいつまでも修正されない可能性があること。もうひとつは、そもそもあなたが誰かに許容的だからといって、その誰かもあなたに対して許容的だとは限らないということだ。

 

 

…………

 

 

書いていて苦しい。「相手の良いところも悪いところも受け入れる」……聞こえのいい世界から一歩もはみ出さず、そうして堕落もせず、良い、正しいおこないだけをできたらいいのにと思う。本当に傷つきたくないだけだ。批判されること、軽蔑されること、およそ自分が傷つく一切の行為から遠ざかっていきたいだけ。小さなプライドも、自分の存在価値を見出したい心も、全てが批判され、軽蔑されること……傷つくことを恐れている。なんて小さな人間なんだろう!他人の意見など気にせず、自分の価値観だけに従ってまっすぐに生きていけたらいいのに!